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4.3 太陽風によって駆動される地球の貿易風

 太陽風のH+は、上層大気の分子と衝突することで速度を失います。巨大な磁気嵐が襲う場合を除くと水素原子の密度は、高度約90kmのピークに達します。上空約25kmにピーク密度を持つオゾン層があります。そこで、太陽風のH+が地上に到達することはめったにありません。 しかし、太陽風のH+が大気中の分子や原子と衝突したときに持っていた 運動量を大気に与えます。
大気も地球の自転とともに移動し、その周回速度は赤道付近のジェット旅客機とほぼ同じ速度です。 そのため、地球の側面をかすめて通過する太陽風は、東で加速し、西で減速するため、地球の天気を反時計回りに変えます。 地球の昼間の半球で赤道に当たる太陽風は、太陽の自転による自転成分を持っているため、貿易風を時計回りの回転方向に駆動します。 図11に示すように、地球を周回する西風と貿易風は、太陽風のH+によって駆動されます。


   図11 太陽風の H+によって駆動される太陽風


4.4 惑星の赤道帯を周回する大気の運動の比較

図12に示すように、惑星が太陽から離れている惑星は、貿易風を駆動する太陽風の回転成分への影響が少なくなります。太陽風には反時計回りに回転する成分があり、正面衝突すると惑星の赤道大気を時計回りに駆動しています。太陽から遠くに離れた惑星の赤道付近に到達する太陽風の量が減少擦るので貿易風は弱くなります。

   図12 太陽から遠ざかるにつれて減少しする惑星の赤道付近で西に流れる大気の流れ


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